アワーオブコードには、体系だてて20時間前後で勉強できるコースが準備されています。当記事では『コース2レッスン12 条件(アンプラグド)』を紹介します。
Hour of Code アワーオブコードで学ぼう(先生向け)①の記事の通りにユーザーIDを登録していただきログインすると、『コースカタログ』というメニューがありますので、それをクリックすると以下のようなコースが紹介されています。この記事では、コース2のレッスン12 条件(アンプラグド)を紹介したいと思います。(注:以降の説明は、ログイン済前提です。また、💬のマークがある所に、カーソルを合わせると補足が表示されます。)
1.コース2概要
コース2は読み書きができる生徒のためのコースです。対象年齢は2年生から5年生となっています。
コース2を選択すると以下のような画面が表示され、生徒にコースを割り当てることができ、各生徒の学習進捗状況が確認できます。レッスンは19まであります。また、右のほうから先生用のレッスンプランを見ることができます。
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2.レッスン12 条件(アンプラグド) プラン
レッスン12『レッスンプランを見る』をクリックすると以下の画面が表示されます。
ここから、レッスンに使う資料を入手したり、教え方を参考にすることができます。(以下、私が訳したものです。)
レッスンの概要
コンピュータープログラムを実行する時、前もって全ての条件が分かっている訳ではありません。ユーザーごとにニーズは異なります。あるユーザーのニーズに基づいてプログラムを作っても、他のユーザーのニーズには合わないこともあります。そんな時に条件式を使うことができます。このレッスンでは、プログラムを与えられた情報に合わせるために、条件文をどのように使用するのかを説明します。
レッスンの目的
はじめに - 15分
1)復習
2)ボキャブラリー
3)1つの条件で
アクティビティ:トランプを使った条件式 - 30分
4)トランプを使った条件式
ラップアップ - 10分
5)Flash Chat💬 – 私たちは何を学びましたか?
6)Vocab Shmocab💬
アセスメント - 5分
7)トランプを使った条件式 アセスメント
レッスンの目的
生徒達は:
- プログラムの特定の処理を実行する必要があるときと無いときを定義できる
- 条件の判断基準に基づき、条件が満たされているかどうか判断できる
- プログラムを読んで、結果を予測できる
指導ガイド
資料、リソース、準備
生徒用
- トランプ
- プログラムの実行結果を記録する白紙
- マーカーペン、または鉛筆などの筆記用具
- トランプを使った条件式アセスメントシート(英語版) 訳者注:日本語版はここ
先生用
- レッスンビデオ
- この先生用の指導ガイド
- クラス全員で見るためのサンプルプログラム(英語版) 訳者注:日本語版はここ
- 各生徒への配布資料:トランプを使った条件式アセスメントシート(英語版) 訳者注:日本語版はここ
はじめに(15分)
1)レビュー
前回のレッスンをクラスで復習します。クラス全体で話し合ってもいいですし、エルボーパートナー💬と話し合ってもらうこともできます。
レビューで生徒にする質問例:
- 前回のレッスンで何をしたでしょうか?
- チャンスがあればどんな事をしたかったですか?
- レッスンの後に、質問したいことがありましたか?
- 前回のレッスンで好きなことは何ですか?
レッスンのヒント
生徒に好きなことを聞いてレビューを終わると、前のレッスンの印象が良いものとなり、これから教えようとするレッスンに生徒がより興味を持って取り組むでしょう。
2)ボキャブラリー(語彙)
このレッスンには、新しく学ぶべき重要な単語が1つあります。
条件式 - 先生と一緒に発音してみましょう:じょうけんしき
特定の条件の時だけ実行される命令文
3)1つの条件で
・すぐにこのレッスンを始めることができます。
- クラス全員に、これから30秒間完全に静かにできたら、次のような事をして良い(褒美)と伝えます。
-オペラを歌う
-5分間休憩
-または逆立ちをする - すぐに30秒測ります。
- 30秒間生徒が完全に静かにできたら、成功したことを伝えて上で約束した事をやってもらいます。
- もし出来なかった場合は、失敗したことを生徒に伝え約束したことはできないとつたえます。
・生徒に『ご褒美の条件はなんでしたか?』を問いかけます。
- 条件は、もしクラス全員が30秒間完全に静かにできたらでした
-もしそれができたら、条件は『真』となり、褒美がもらえます。
-もしそれが出来なかったら、条件は『偽』となり、褒美をもらうことができません。 - 他の条件を何か考えてみてください。
-もし先生の歳を当てることができれば、クラス全員で拍手する
-もし答えが分かれば、手を挙げる
-もっと他の例がありませんか
・時には、『If(もし)』条件ステートメント(文)が真でない場合、追加の条件が必要になる場合があります。
- この追加の条件は、『Else(でなければ)』文と呼ばれます。
- 『If(もし)』条件が真でない時は、『Else(でなければ)』文で何をするかみます。
-もし、7を引いたら全員で拍手し、7でなければ全員で『わーー』と言う
-試してみます。(クラス全員が正しく反応するか確認します) - 生徒に今やった事を分析してもらいます。
-『If(もし)』条件はなんでしたか?
-『Else(でなければ)』条件はなんでしたか?
-どの条件が真でしたか? - まさかと思うかもしれませんが、もう一つの選択肢があります。
-もし先生が、7を引いたら拍手、7より小さい数を引いたら『やったー』と言い、それ以外なら『わーー』と言って欲しい場合はどうしましょう?
-そのために、『If(もし)』、『Else(でなければ)』以外に『Else If(でなければもし)』が必要となります。
-『If(もし)』が最初の条件です。
-『If(もし)』条件が真でない時だけ、『Else If(でなければもし)』条件を確認します。
-『If(もし)』条件も『Else If(でなければもし)』条件も『真』でない時、『Else(でなければ)』を実行します。
では、ゲームを始めましょう。
アクティビティ(20分)
4.トランプを使った条件式 訳者注:日本語版はここ
手順:
1)クラス全員で、トランプのマーク、色か数を使って、条件によって加点したり減点するプログラムをいくつか作ります。プログラムはアルゴリズム、疑似コード、実際のコードで書くことができます。
以下がアルゴリズムの例です。
以下が疑似コードの例です。
2)クラスをチーム分けします。
3)各チームに少なくとも人数分の枚数のトランプを配ります。
4)サンプルプログラム1を全員が見えるように、掲示します。
5)各チームにカードを引いてもらい、プログラムに従い得点を各チームで計算してもらいます。それを何回か繰り返します。
6)生徒の理解を深めるために、幾つかの異なった条件式で同じ事をやってもらいます。
上記の演習ができるようになったら、生徒に条件式を入れ子に出来ることを示して挑戦してもらいます。
以下が上記のプログラムの疑似コードです。
ラップアップ(5分)
5)フラッシュチャット:私たちは何を学びましたか?
- このプログラムをブロックリーでプログラミングするとしたら、このプログラムを何回も実行するには、条件式の周りに何を追加する必要がありますか? 訳者注:ブロックリーについては、こちらの記事を参考にしてください。解答例はこちらです。
- 特定の条件の下で日常することには、どんなことがあるでしょう?
- トランプの数が5より大きいときに何かすると仮定して、もしトランプの5を引いたら条件は真ですか?偽ですか?
- 条件は『真』か『偽』で評価する事に注意してください。『バナナ』という評価はありません。
- いくつかの条件を組み合わせたい場合は、「入れ子条件」と呼ばれるものを使うことができます。
-それはどんな意味だと思いますか?
-演習中に、その例がありましたがどこだったでしょうか? - 演習で楽しかったのはどこですか?
レッスンのヒント
フラッシュチャットの質問は、レッスンがより大きな世界や生徒の大きな未来に関係していることを考えることを意図しています。クラスの生徒のレベルにより、クラス全員で話し合うか、グループで話し合うか、エルボーパートナー💬と話し合うか判断してください。
6)Vocab Shmocab(訳者注:語源、言葉の定義)
以下の活動は、クラスで行うか、隣同士の生徒で行ってから皆で共有するか、選択してください。
・以下の言葉の定義のうち、今日学んだのはどれでしょうか?
「テキスト行の先頭にスペースを追加する」
「黄色と緑色の組み合わせ」
「特定の条件の時だけ実行される命令文」
・・・そして、私たちが学んだ言葉は何ですか?
アセスメント(5分)
7)トランプを使った条件式アセスメント(英語版) 日本語版はここ
・アセスメントシートを生徒に配布して、やり方を良く説明してから各自でアセスメントをしてもらいます。
・前のアクティビティーが終わっているので、このアクティビティーはすぐに分かると思います。
より詳しく学習
以下のアクティビティーにより、生徒はより理解を深めることができます。課外活動や、その他活動で使うことができます。
真/偽 鬼ごっこ
- 生徒に、『赤信号/青信号』ゲームをする時のように並んでもらいます。訳者注:日本の『ダルマさんが転んだ』のような遊び
- 1人の生徒に前に立ってもらい、コーラーと呼びます。訳者注:『ダルマさんが転んだ』の鬼に該当
- コーラーは条件を決めて、条件にあった人は前に1歩進んで下さいと全員に条件を言います。
-赤いベルトをしていたら、前に1歩
-サンダルを履いていたら、前に1歩 - 『髪がブロンドでなければ、前に1歩』のように、偽の条件でも挑戦してもらいます。
ネスティング
- 生徒をペアか小グループに分けます。
- 紙切れに、トランプを使った『もし』条件を書くように指示します。
-もしマークがクラブなら
-もし色が赤なら - 同様に、結果(何をする)も書いてもらいます。
-1点足す
-1点引く - 書き終わったら、生徒に『もし』と結果の紙切れ3枚ずつとトランプ3枚を取ってもらいます。
- 『もし』と結果の紙切れを組み合わせて、どんな順番でも良いので3つのプログラムを書いてもらいます。
-『もし』条件の中に『もし』条件を入れるように指示します。 - 先ほど引いた3枚のトランプを使って、出来上がった3つのプログラムを実行してもらいます。どのプログラムを実行するときもトランプの順番は、変えないようにします。
-どれか2つのプログラムが同じ結果になりましたか?
-結果は何か違っていましたか?
トランプを使った条件式 アクティビティシート
トランプを使った条件式アセスメントシート
以降は、USの学習基準ですので、省略します。
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